ショートボディライフのロングテールな瞬間(2)
Apple Macintosh LC IIという名機をご存じだろうか。 Macエバンジェリストには無視されたと記憶しているが、当時数十万円もしたカラーMacが手頃な値段で手に入るということに驚喜して思わず買ってしまったのである。今では信じられないが、モトローラの68030(32bit)、HDD標準装備、256色ディスプレイ、4MBメモリという仕様がとても魅力的だった。機種名のLCはLowcost Colorの略という、何とも悲哀感漂うストレートなものだ。でもLC IIとその後継のLC IIIは結構売れたから、ショートボディライフにきちっとはまっている。
使い始めてから1、2年たったある時、そのLC IIにTrue Colorを発色させるビデオボードが欲しくなった。LC IIは薄型で上位機種のボードは全く使えなかったうえ、LC IIIやその他の機種が続々出始めていて、LC IIのような型落ち機種向けの拡張ボードはほとんどなくなっていた。当時はインターネットにも有用なサイトがあまりなかったから、情報源はMac雑誌と秋葉原しかなく、雑誌広告に隅から隅まで目を通して性能比較をしたり、秋葉原を歩き回って店員を悩ませたりなどしながら、相当の時間をかけてようやく望みのボードを手に入れることができたのである。マザーボードと天板の間の隙間に押し込むような仕様で、ディスプレイを置いたら歪むんじゃないかと心配になったほどだが、一応問題なく動作した。一緒に買ったCD-ROMのイルカの動画を見ながら感動していたことが懐かしい。
今思えばとてもロングテールな瞬間だったような気がする。
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