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Saturday, June 24, 2006

フロリダ・シューティングレンジ(1)

ダイハード」というブルースウィリス主演で大ヒットした映画がある。高層ビルの中を走り回りながら、たった一人でテロリスト(実はただの泥棒)に立ち向かうという斬新な設定の、良くできたエンターテイメント映画だった。絶体絶命の状況をジョークで軽く受け流すブルースウィリスのおとぼけキャラにも惹かれるものがあった。反戦的で人道的な正論が必ずセリフに組み込まれている社会派か、逆にあまりにもおバカで笑えないコメディしかなかった当時の日本映画やドラマに、少々辟易していたということがかなり影響していると思う。

さて、「ダイハード」の場合は、ストーリーの他に気になるものがあった。拳銃である。ブルースウィリスの持っていたベレッタ92Fは、銃身の上に特徴的な切り欠きが入っていて、とても写り映えのする造形である。思わずモデルガンを買ってしまったほど気に入ったのだが、好奇心とは恐ろしいもので、結局はホンモノを撃ってみたくなったのである。もちろん日本では違法なので外国に行くしかない。

最初にホンモノを撃ったのは、10年ほど前にアメリカのL.A.に行った時である。ユニバーサルスタジオが閉まっていてがっくりしていたところ、語学留学生くずれのようなお兄さんがダウンタウンのはずれのシューティングレンジに連れて行ってくれた。店の名前は覚えていない。撃ったのは、38口径のS&W、45口径のコルトガバメント、そして9mm口径のベレッタ92FSだった。どれもモデルガン並みの反動しかなく、よく当たったことを覚えている。後で聞いたら観光客向けに火薬の量を減らしていたらしい。

2回目にホンモノを撃ったのは、2年ほど前にフロリダ州オーランドに行った時である。インターネット検索で引っかかったRieg's Guns and Shooting Rangeに行ってみた。この店は街を南北に貫くOrange Blossom Trail、通称OBT沿いにある。


何がいいか聞かれたので、ベレッタを選んだところ、それならこちらの方が撃ちやすいということでブラジル製のタウラスPT100を勧められた。銃身下側の作りがオリジナルと違う程度で、見た目はまるっきりベレッタのコピーである。撃ってみると、10年前とは全く違う強い反動を感じ、弾止めから上がる土煙が見えるぐらいの威力があった。地元住民向けの練習場だから、火薬はフル充填されているのだろう。結局1ケース50発(US$35ぐらい)を撃ちきった。


矛盾しているようだが、これだけの威力を目にすると、とても人に向けて撃つ気にはならないものだ。日本のように、やたらと規制して妙な幻想を与えるよりも、実際に怖さを経験させた方が発砲事件は減るかもしれない。

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