Googleフリークへの道(3) 再興期の始まり: GMail
2006/6/1付けで@niftyがAjaxベースのWebメール2.0βを公開した。Webメール2.0βのユーザインターフェースは、メニュー、フォルダツリー、メール一覧・メール表示ウィンドウで構成されていて、普通のクライアントメーラとほとんど変わらない。全体として開発者の方々の気合いを感じる仕上がりとなっている。凝った作り込みをしているためか重い操作感だが、性能のいいPCとブロードバンド環境の組み合わせならWebブラウザで操作していることを忘れてしまうかもしれない。正式リリース版の出来映えに期待したい。
さてGoogleの話である。不運なノートPCは、年明けからいつブルースクリーンになってもおかしくない状態でがんばっていたものの、4月にはご臨終を迎えてしまったため、最新のデスクトップPCに交換した。今のデスクトップPCは、3年前のノートPCに比べれば笑ってしまうほど性能が高く、当たり前だが動作も安定している。そこでAjaxの勉強に役立つサンプルとして、Gmailを試してみようという気になったというわけである。正直なところ、クライアントメーラのような複雑な操作を表現するのはJavascriptには荷が重いだろうと思っていたから、「何だ、ただのWebメールじゃないか」と批判したい気持ちもあった。後にこの考えが甘かったことを思い知らされることになる。
まず、Gmailの使い方サイトで招待状を発行してもらいGmailアカウントを取った(GmailアカウントのID・パスワードは、他のGoogleツールを使うときのID・パスワードとしても使える)。その後すぐにGmailにアクセスし、他のメールアドレスからテストメールを送りながら操作感を試してみた。Javascriptコードが多いためか起動に少し時間がかかるし、見た目は@niftyのWebメール2.0βほど凝っていないが、シンプルなだけにサクサクした操作感が得られる。実に快適である。
Gmailの最大の特徴は、普通のクライアントメーラが当然のごとく提供しているフォルダツリーがないことだ。わざわざフォルダを作ってメール振り分けをしなくても、Googleエンジンで検索すれば事足りるという自信の現れだが、クライアントメーラで一番手間のかかる作業を省いているわけで、いい着眼点だと思う。確かにしばらく使っていてメールが増えてくると、その良さが伝わってくる。操作感はと言えば、これはもうAjaxの威力が炸裂している。何か操作した後に画面がちらつかないし(メール本文を読み込む時に再描画するのはご愛敬としよう)、写真や補足情報をポップアップで見せてくれたりもする。さらにWYSWYGエディタ付きでHTMLメールも簡単に作ることができる。一般のWebメールやヘタなクライアントメーラよりはるかに使い勝手がいいのである。こうして再びGoogleフリークへの道を怒濤のごとく突き進むことになった。まさに再興期の始まりである。
シンプルなユーザインターフェースは他にもメリットがある。@niftyほど凝ってしまうと他のツールで使うのが難しくなるが、Gmailのユーザインターフェースはどんなツールにも応用できる。Googleが、Google Web ToolKit、Google Ajax Search APIと、このところ立て続けにGUIツールを一般ユーザに開放していることを考えると、Googleユーザインターフェースの普及は最初から彼らの戦略に組み込まれているのだろう。
「全てのWebページに広告を!」がホラに聞こえなくなってきた。Google恐るべし。
0 Comments:
Post a Comment
<< Home